中小企業診断士2次試験は、模範解答が公表されません。そのため、これといった攻略法がないこと、もしくは人によって対策法がバラバラなことが受験生の大きな悩みとなります。そしてライバルは、あの7科目もある1次試験をクリアしてきた猛者たち。その中で安定して上位20%に入らなければいけません。「答えも対策法も何が正解かわからない。」多くの受験生が共感するのではないでしょうか。私自身も受験生時代、さまざまな方法を試しました。その中でも、マーカー(色ペン)については合否の鍵を握りました。たかが筆記用具が合格の鍵を握ることはないと思っているかもしれませんが、意外と侮れませんので紹介します。
中小企業診断士2次試験でマーカー(色ペン)を使うかの結論
上の説明でお気づきかもしれませんが、結論はマーカー(色ペン)を使うことです。マーカーというよりも、5色のペン(フリクションで消せるもの)を使用し、非常に役に立ちましたので順に説明します。
中小企業診断士2次試験でマーカー(色ペン)を使う時間配分的なメリット
5色のフリクションペンを使用した理由は、時間配分的なメリットが大きいと感じたからです。1年目はシャーペン、赤ペン、青ペンを持っていきましたが、2年目はシャーペン、5色のフリクションペンを持っていきました。ペンの数が増えているのに時間配分的にメリットがどのようにあったのかを説明します。
1年目の挑戦はマーカー(色ペン)を使わなかった
2次試験1年目の挑戦は不合格に終わりました。その要因の1つが時間配分でした。すべての記述問題を埋めはしたものの、毎時間、時間に追われていました。その原因を思い返してみます。
ペンの使い方が悪かった
・青ペン→良いところに青ペンで線を引きました。事例企業のS(強み)やO(機会)に関してはすべて青の状態になっていました。
・赤ペン→問題点に赤ペンで線を引きました。事例企業のW(弱み)やT(脅威)、さらに運営上の問題点などに関しては、赤い状態になっていました。
・シャーペン→各設問の下に与件文から回答に使う文を抜き出すメモを作成しました。また、回答を記入するときにも使いました。
回答に使う与件文を探すのに時間がかかった
上記のようなペンの使い方をしていましたが、良い部分はすべて青、問題点はすべて赤になっていましたので、どの設問にどの与件文を使うのか色が同じのため判別に苦労しました。それが、時間がかかってしまった要因の1つです。
シャーペンの使い方が悪かった
各設問の下に、回答に使う与件文をそのまま抜き出していました。箇条書きレベルでは、回答作成時に文字数不足の原因になったり、そもそも内容を忘れてしまったりすることが練習時に起こっていたからです。結果的にこのメモも時間配分を悪くする大きな原因となっていました。
2年目の挑戦はマーカー(色ペン)を使った
2次試験2年目の挑戦は合格で終わることができました。2年目で失敗すると、また1次試験からやり直しというプレッシャーの中、精神状態が普通ではありませんでしたので、安定した解き方を身に着けるということも課題でした。5色のフリクションペンがそんな私を救ってくれた要因を思い返してみます。
ペンの使い方が良かった
・赤ペン→第1問の設問解釈時のメモ、回答骨子(フレーム作り)、第1問に関する与件文の線引きに使いました。
・水色ペン→第2問の設問解釈時のメモ、回答骨子(フレーム作り)、第2問に関する与件文の線引きに使いました。
・黄緑ペン→第3問の設問解釈時のメモ、回答骨子(フレーム作り)、第3問に関する与件文の線引きに使いました。
・青ペン→第4問の設問解釈時のメモ、回答骨子(フレーム作り)、第4問に関する与件文の線引きに使いました。
・紫ペン→第5問の設問解釈時のメモ、回答骨子(フレーム作り)、第5問に関する与件文の線引きに使いました。
・シャーペン→良い部分は実線、悪い部分は波線にし、SWOTの文字を近くに書くことに使いました。もちろん回答記入にも使いました。
注意点としては、色ペンで線を引くのは結構後半だということです。設問解釈に時間をかけて、この与件は第2問で使うはずと分かってから引かないと色が混ざったり、色ペンをフリクションで消す作業が増えたりします。ただ設問解釈をしっかりすると、切り分けでしっかり頭を使ったうえで色分けできるので、回答作成時に迷いがなくなります。時間配分が気になると思いますので、時間配分の説明をします。
時間配分について
・0~2分:設問ページを切り離す。段落番号をふる。与件文の1段落目と最終段落を読む。
・2分~15分:設問解釈。色ペンで設問文の各キーワードの近くに想定される知識や注意点を書く。
・15分~40分:与件文を読む。まずはシャーペンで良い点と悪い点に線を引きながら1回目。2回目は色ペンに持ち替えて各設問に使いそうな与件文を色分けしていく。このときにある程度の回答骨子(フレーム作り)もしていく。
・40分~80分:回答作成。※実際は上記に時間がかかり45分くらいから書き始めました。
回答に使う与件文を探すのが簡単になった
1年目の問題点の裏返しになります。設問ごとに色を引いて分けてあるため、色を目印にして与件文から探すだけでよくなりました。大幅な時間短縮につながりました。
メモを作成する必要が無くなった
こちらも1年目の問題点の裏返しになります。設問ごとに色を引いて分けてあるため、各設問の下にわざわざ与件文を抜き出す必要がなくなりました。色ペンで線を引いてある与件文を見て、回答を編集するだけということになり大幅な時間短縮につながりました。
探す時間とメモ時間の短縮が作った時間
この時間は、①設問解釈と②切り分けの判断の2つの時間に充てました。設問解釈をしっかりやって、出題者の意図にがっちり寄せること。そして切り分けをして、同じ回答を複数の設問に使わないことが大きなカギを握ると思っていましたので、短縮できた時間をこれらに使ったことが合格の要因でした。1年目は設問解釈と切り分けは諦めていたので、こちらも1年目の問題点の裏返しとなりました。
中小企業診断士2次試験でマーカー(色ペン)を使う時間配分的なデメリット
ペンの数が多いことから、5色のフリクションペンとシャーペンの持ち替え時間がいちばんのデメリットです。ただ基本的には設問ごとに順番に色ペンを使うことになるため、そこまで頻繁に持ち替えは発生しません。上記のメリットの方が上回ると思っています。
中小企業診断士2次試験でマーカー(色ペン)を使う見やすさ的なメリット
似たような説明になってしまいますが、見やすさの点で圧倒的なメリットがありました。2色ではなく、5色をおすすめします。設問ごとに色分けができるためです。
1年目の挑戦はマーカー(色ペン)を使わなかった
赤ペンと青ペンとシャーペンの3色だと良い点、悪い点くらいの色分けになると思います。確かに良い点と悪い点が見やすくなっていると、それぞれを設問ごとに使うことになるため、問題点を指摘したい場合は、赤から選択すればよいということになります。ただ問題点は、想像以上に多いです。問題点の無い会社なんてありません。多くの赤の中から選ぶのも大変ですし、どの問題点をどの設問に使ったのかが見にくくなると思います。
2年目の挑戦はマーカー(色ペン)を使った
5色というのは多くの事例が大問5問の構成だからです。事例Ⅱや事例ⅢではSWOT問題が出ることが多いため、ここで4問ありますが、1色で対応していました。上記でも少し説明しましたが、SWOTはシャーペンだけで対応できますので、その中で回答に使うものだけを赤ペンで線を引きました。とにかく設問ごとに色分けしている見やすさが本当に抜群でしたので、ぜひ実践してみてください。
中小企業診断士2次試験でマーカー(色ペン)を使う見やすさ的なデメリット
与件文の同じ箇所を複数の設問に使用する場合は、色がカラフルになるため重なってしまうという心配があるかもしれません。しかし、基本的に同じ文が2色になるということはありませんでした。というのも、2つの設問で同じ問題点を指摘するということが不自然だと思いますし、設問解釈をしっかりと行い、切り分けるということの方が大切だと思っています。書き始めるまでの40分間の過ごし方で合否が決まるといっても過言ではないと思います。40分の最も有効な使い方がマーカーを使うことで達成可能になります。
まとめ
中小企業診断士2次試験に挑戦した1年目の失敗の問題点を解決するための方法の1つが、5色のフリクションペンを使用することでした。①メモの省エネ化による時間短縮、②回答に使う与件文の探しやすさが大きなポイントとなりました。もちろんフリクションだから間違えた場合は消すことができますし、マーカーじゃないため文字を書くことができました。2年目で合格できた1つの要因でしたので皆さんもぜひ試してみてください。
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